お嬢っ!!
いやいや、
ただの生徒手帳だったら別に問題ないんだけど…。
中には、とても見せられないモノが挟まれているから、見られたなんて……
さ、最悪だ
聖マリアの生徒が……いや、ましてや私がそんなものを持ち歩いているなんてバレたらヤバいのに。
今まさにバレてるぅぅぅ!!!!
私の顔は、きっと真っ青に違いない。間抜け顔だ。
しかし、どうしようか
でも返してもらわないと困る。
「すみませんが…。か、返して下さい。」
「え〜、ヤダ。」
「ヤダって…」
困りますよお兄さん。
子供じゃないんだから「ヤダ」って言うのはないですよ…。
せっかく意を決して言ったというのに…。
奴を見れば楽しそうに、私の生徒手帳をひらひらさせて濡れた色っぽい瞳で笑っていた。
く、くそ〜っ
早く返せよー!!
イライラともどかしさで、いっぱいだ。
何度か取り返そうと手を出すが、ひょいひょいと交わされる。それも楽しそうに…。
ぬぬぬぬ…、
「返して欲しかったら、俺に着いてきて。」
……はい?
なんかこの人意味のわからないこと言ってるんですけど!?
「返して欲しかったら、着いてきて」……?
コイツ………
「はい…。」
着いて行くに決まってるでしょうが!!
だって、それがないと安心して夜も寝れやしない。