お嬢っ!!
父さんは、私に気づくと満面の笑みで「おはよう。」と言って読んでいたイギリスの新聞をたたんだ。
私の父さんは、年のわりにまだまだ顔は若い。背も高いし、スタイル抜群。おまけに中々のイケメン。
たまに一緒に歩くと、兄弟か彼氏と間違われてしまう位だ。
まぁ父さんが少し童顔のせいもある。
父さんの顔を凝視しながら向かい側の椅子に座る。
「おはようございます。お嬢様」
1人の男性が、私の前に朝食が乗っているプレートを置く。
目の前には美味しそうな朝食達。
ご飯に味噌汁、焼き魚に梅干し、そしてほうれん草のおひたし
美味しそ〜っ!
なにこの艶やかなお米はっ!
イッツ ビューティフル!!
「うわぁ!頂きますっ」
「ゆっくりお召し上がり下さい。」
彼は柔らかく微笑む。
「ありがとう。須崎さん!」
須崎 慎一 スザキ シンイチ
お父さんに仕える、頼れる執事さんだ。
本当に良くしてくれるし、優しい。
彼のお蔭でやってこれたと言っても過言ではない。
大人だし、こんながさつな私にも笑顔で接してくれる。
きっとこの世の女性は須崎さんに一発で落とされるな。
あまりにも須崎さんの顔を見すぎて、須崎さんは困ったような顔をした。
おっと、
急いで何とも美しいご飯を食べ始めた。