お嬢っ!!
千尋くんは2度目、金髪は初めてだけど綺麗に放物線を描いて飛んでいった。
さっきまで騒いでた連中がいっきにこちらに集中して、誰もがポカーンと口を開けていた。
ふんっ
千尋くんたちが悪いんだからね!
ざまーみろっ
パンパンと手をはらって立ち上がったソファーにもう一度座り直し、さっき慎一郎さんがくれた紅茶に口をつける。
ん〜美味しい。
いい香りだなあ。
アールグレイかな?
「リコちゃんスゲー……」
ふと左隣に座ってた男の子が私を見て呟いた。
男の子……っていうかなんか女の子みたいな男の子だ。
その子をよく見れば…。
か、可愛い…!!
目なんかクリクリだし、睫毛なんかビックリするほど長い。肌なんかすべすべじゃないっ!
あ、
今ちょっとオバサンが入った。
いいなあ。
私なんか乾燥してカサカサなのに。
「そう?」
なんかキラキラした瞳で見つめられるから、つい自慢気に言ってしまった。
「うんうん、スゲーよリコちゃん!カッコいいな!!」
「あ、ありがとう。」
ほ、誉められてしまった。
いや嬉しいけどね。
「あ、私のことちゃん付けじゃなくていいよ。」
「え?いいのか?」
「うん!」
この子なんか可愛いから何でも許しちゃう!
呼び捨てで呼んでも全然OK!むしろウェルカムよ!