お嬢っ!!
―――しかし
ちょっと失敗したな。
本当は家の近くの公園でもよかったんだけど、うちのボディーガードマンたちが見張っていてバレそうだったから学校近くの公園にしてもらった。
まあ運動になるからいんだけども…。
かなりゆっくり歩いてたから、家に着くまでに30以上かかってしまった。
疲れにまた疲れが重なったみたいな?
「ただいま〜」
大きな門をくぐり、家へ入る。召し使いさん達が私に歩み寄り、荷物をかたづけてくれる。
さてお風呂、お風呂♪
おっと、その前に父さんに挨拶しなきゃ。
リビングかな。
うちの家は、帰ったら必ず父さんに報告しなければいけない…とまあ、よく分からんルールがある。
だから、まあちゃんと挨拶はするわけ。
ガチャ…
リビングのドアノブを回す。
「ただいまあ〜……って、うわああああ!!」
リビングに入った瞬間いきなり誰かに抱きつかれた。
えっ、何事?!
抱きついている相手は明らかに父さんではない事はすぐに分かった。だって、こんながっちりして……。
……ん??
がっちり??
うん、待てよ。がっちりしたヤツといえば、アヤツしかいないよな…。
「に、兄ちゃん…?」
抱きついている相手は体を離し、満面の笑顔を向けていた。
「ただいま、リコっ!」
やっぱり、
烈(れつ)兄だった。