お嬢っ!!



俺から離れた千尋はふら〜と隼人の隣に行き、なにやら2人でコソコソ話していると思えば何故か爆笑し始めた。






「おいおい〜、白雪姫ってもうお笑いだろーよぉ」



「ケケケっ、ウケにいってんに決まってんだろうが」







……どうやら、リコちゃんに渡した着替えが何か隼人に教えてもらったらしい。まだ2人でケラケラと笑っている。







はあ…、アイツら








――それにしてもまだかな、リコちゃん…。




着替えに行ってからもう20分は経っている。




確かにあの服じゃ出にくいよな…。でも、いつまでもここに居るわけにもいかないし。





車に近づいてコンコンと軽くドアを叩く。





「リコちゃん、着替え終わったか?」




「あっ、は…はい…」




なんとも弱々しい声がドア越しに聞こえてきた。着替えは終えたらしい。





「出にくいと思うけど、そろそろ行こう」






そう俺が言うと、少しずつだかドアが開いた。すべてスモークがかかっている窓からはリコちゃんはまだ見えない。






< 63 / 76 >

この作品をシェア

pagetop