信号にさしかかって
タカシの手が
私のももに
のったので
思わず身を引いた

鳥肌がたった。


「あ、もうここでいいよ。」
「ごめんねなんか。」
私は車を降りる
「またメールするね。」
「俺もするよ。」

私は家へ歩いた
たまった涙が
こぼれないように

お別れだ…
嘘つく人だと
思わなかった。




家に帰って
思いっきり
手を洗った
私に染み付いた
タカシが落ちるように

お風呂に入って
思いっきり
体を洗った
私に染み付いた
タカシが消えるように

必死で自分を
抱きしめる

涙がこぼれる


どこで間違えたんだろう
何を間違えたんだろう

無かったことに
したかった。

よごれない私で
いたかった。

何も知らない顔で
またマサのこと
好きになれたら
どんなにいいだろう


そんなことは
許されない。

私は汚れてしまった




マサの隣に
居る資格など無い

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