【短編】間違い電話
---ジリジリッジリジリッ



煩い位の音の大きい目覚ましが鳴る。



「......ん....んんっ.....」



あたしは眠い目を擦りながら目覚ましを止める。そして、大きく伸びをした。



「なんだぁ.....夢か」



最近この夢を良く見る。3年前の中2になる前に引っ越した鬼灯　琴也【ホオズキ　コトヤ】君が引っ越すときの夢を。



あたしはゆっくりと起き上がって、ベッドから降りて、薄い水色に青のドット柄のカーテンを開ける。其処から、朝の眩しい太陽の光が入ってきて部屋を明るく照らす。



その光を浴びながらあたしは制服に着替えて、髪を梳かし、身だしなみを整える。それから、部屋を出て、階段を下り、リビングダイニングに向かう。



「琉乃おはよう」



お母さんが忙しなく走り回りながら声をかける。



「おはよう。お母さん」



既に並べられた朝食を見ながら席に座る。そして、手を合わせる。



「頂きます」



そう言って、合わせていた手を下し、箸を握って朝食を食べた。



「お、琉乃は今日から学校かー。でも、もう弁当必要なのか?」



お父さんはテーブルに置いてある弁当を見て、能天気な声で聞いてくる。



今日はお父さんが言った通り、始業式。今日から高2と言う事だ。



「そうだよ。今日は始業式とかだけだけど、部活あるから帰って来るのが3時位なの。だから、弁当必要なんだよ」



「なるほどー」


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