となりの席
席を移動させて、みんなの移動が終わるのを待ってた。

隣りの席は誰だろな…
中尾くん?
山根さん?
佐藤くん?

…隣りに来る人を予想しながらいると、
『日野さん?隣りかぁ。』
って…一番隣りに来て欲しくなかった西村くんが声をかけてきた。

私はさーっと血の気が引く思いだった。
『そうなんだぁ。』
一言返すのが精一杯だった。

西村くん…
西村くんは私の好きな人だ。

普通の人なら、好きな人と隣りの席になったら喜ぶと思う。
けど、私は喜べなかった。

だって、隣りの席になんてなったら自分の気持ちバレるに違いないもん。

私、好きな人には気持ちを隠しきれないタイプらしい。
だから、いつも告白する前にバレて距離を置かれてしまう。

けど、西村くんだけには知られたくない。

気まずくなりたくない。

だって、私と西村くんはサッカー部のマネージャーと部員だから…
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