あおいの光
「…わたる。あたし、わたるんちで…。わたる、あの夜、あたしにキスした?」


わたるは
顔を真っ赤にして、あたしから目を逸らした。


「いまさら、気付くなよ。お前、賢いのか鈍いのかわかんねぇよ。」



「やだ。だって、ファーストキスだったんだもん。」




「はじめて…?」


あたしは
静かにうなづいた。




「俺…、もっとあおいを知りたい。あおいの部屋に行こう。」


あたしはわたるを部屋に案内した。


あたしの部屋に入るなりわたるは、もう一度キスしてきた。
そして、学ランを脱いだ。


「わたる?暑いの?」



「ええ?!」


「だって…脱いだから…」



あたしの言葉に
わたるは笑った。


「あはは。お前、天然かよ。まいった。」
「え?え?」


「あおいを知りたいって…意味わからない?」




「え?」



それってつまり…


あたしと…


「あおいと、その…ヤりたいって言ったつもりなんだけどね。」



「ヤる?!」



あたしはびっくりして、今度はドキドキした。


つまり、
あたし、
わたるを部屋にいれたってことは、
OKしちゃったってこと?



わたる。
期待してるよね。


あたしは
上目でわたるを見た。


「いいよ…ムリしなくて。あおい、キスも初めてってことは、経験ないんだろうし…」


わたるは
小さい声でぶつぶつ言ってる。
自分に言い聞かせるみたいに。


「わたるは、経験あるんだ?」

「あ…うん。あ、いや?いや、そんなに遊んでるとかじゃないよ!」


「…ふーん。」



ほんとに
わたるはあたしを思ってくれてるんだろうな。



どうしよう。
あたし、


わたるにならあげてもいいって思ってきちゃってる。


先生のことが好きなのに?



あたし、
なにしてるんだろう。



でも…
あたしの女の部分が
わたるを求めてる。



なんでだろう…




興味?




「いいよ。わたる。しよ?」
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