あおいの光
あたしは放課後国語準備室に向かっていた。
ドアの横に張ってある、
在室確認の札を見て、近江先生しかいないことを確認し、入った。

「先生!」
「・・・田口。どうした?」

あたしは素直に聞いた。

「わたるってどういう子?」

先生は笑った。

「どういうって?」

「だってね、あたし、わたるがどういう子かしらないの。バスケ部なのは知ってるけど、バスケしてることろも見たことないし・・・・」
「見に行けばいいさ。ちょうど、あさって試合だから。・・・聞いてるだろ?」
「・・・聞いてないです」

先生は驚いた顔をした。

「毎日、遅くまでデートだろ?なんの話してるんだ?」
「・・・それは・・・」

あたしたち、
話なんてろくにしない。

毎日、毎日、
抱き合ってる。

最近、わたるが求めてくるだけじゃなく
あたしも求めてる。

愛されるって気持ちいい。
あたし、
いままで誰からも愛されてない気がした。

ずっと不安だった。

だけど・・・
わたるは愛してくれる。


「いいよ、田口。わたるに内緒で試合見に行こう」
「え!ほんとですか?」

先生はそういってにっこり笑った。

こんな先生をみるとやっぱり・・・

あたしは先生がまだ好き。

じゃあわたるは?
わからない。

「試合は県大会だ。IHも夢じゃないってわたるはりきってたぞ。」

先生の目、きらきらしてる。
わたるのことがかわいくってしかたないんだ。

先生。
あたしとわたるがそういう関係なのわかってるのかな?

知らなきゃいいのにって思う、
ずるいあたしがいた。


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