あおいの光
2日後、あたしと先生は約束どおりわたるに内緒で県大会の会場の体育館にいた。
会場ではいろんな学校の選手たちが廊下でアップしていた。
みんな大きいけど
わたるはもっと大きい。

わたるもどっかにいるんだろうなぁ。

「先生。わたるの学校のジャージって何色ですか?」
「え?わかんないなぁ。」
「もお、親なのに。」

でも、
思えばパパだってあたしの夏服の色知らないだろうなぁ。
そんなもんかぁ。

わたるの試合は3試合目。
まだ、2時間以上時間があった。

あたしはわたるにメールした。
『わたるの試合みに来たよ』

以外にすぐ返事が来た。
『来るなら来るって言ってよ。どこにいるの?会いたい。』

『観客席のエリアCにいるよ』

「先生、わたるここに来たいって。」
「おお。そうか。」

先生は私に500円玉を渡して、ジュースを買いに行くように言った。
あたしは先生にコーヒー、わたるにポカリ、自分用に緑茶を買って席に戻った。

先生はわたる用のポカリに手を出したので、あたしは
「先生のは違いますよ。そっちの紫のほうです。」
「え?・・・ああ・・・」
先生は、緑茶の缶に手を伸ばし、回して商品名を見てから置き、それからコーヒーの缶にてを伸ばした。
「先生・・・?」
 あたし、紫って言ったのに・・・
「ああ。田口に言ってなかったな。おれ、色弱なんだ。青と、緑と、紫と、全部同じ色に見える。」

 色弱・・・?

あたしは先生の思いもしない言葉に絶句した。









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