あおいの光
わたるの腕の中で先生を想う。


わたると先生ってさすが親子。
目をつぶり、
俯いた顔がそっくり。


だから。
それは簡単なことだった。


そしてあたしは
何の罪悪感も持たずにいた。






そんなとき。
あたしとわたるの関係を変えることになるかもしれない、
そんな出来事が起きた。





わたるの高校はさすがバスケ強豪だけあって、
あたりまえのようにインハイに出場する。



そして、
インハイでもシ-ド高校。

夏休みと同時に、
会場である岡山県に向けて
合宿をするということもあり出かけていった。



あたしは、
わたるにも会えず、
学校がないから
先生にも会えず


何をしていいかもわからない。
そんな夏休みを迎える。



今までは、
ママの実家のある湘南の別荘街に行ってたけど・・・


一人で祖父母の墓参りをして、
広い別荘で過ごす気にはなれなかった。


母はあいかわらず
鉄格子の付いた病院で
一日中ぼーっとしたり
時々わけのわからないことを叫んでいる。


母の妹であるおばが時々あたしの様子を見に来てくれるが、深入りはしない。


「ゴメンネ、葵チャン。うちは葵チャンのとこと違って普通のサラリーマンだから」

と、
ぽろっと本音を言った。
いとこたちもあたしと同じ年頃。

お金がかかるもんなぁ・・・。

でもあたしはおばの気持ちだけで十分だった。



サユミさんのおなかは目立ってきて
父は16年ぶりのわが子の誕生に浮き足立っていた。


あの、イヤミな幸せそうな顔を見るたび、

あなたの幸せは
あたしとママの不幸の上に成り立ってるんだよ。

と、いいたくなる。

かわいくないあたし。











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