あおいの光
ROMA
父の大学。
県内ではトップの。
もちろん、全国でもトップクラスの私立大学だ。

湖城学院大学。


その、人間文化学部歴史文化学科というところに所属する学生があたしのパートナーになるらしい。


あたしは指定された時間に大学のテラスに向かった。

学年・名前しか知らない。

4年の荒川のぞみさん。

来年からは院に進むことが決まっているらしい。


さすがのマンモス大学も夏休みとなれば閑散としている。
だから、彼女を見つけるのは簡単なことだった。


すらっと背の高いきれいな人だった。
4年ってことは、22歳くらいかぁ・・・。

16歳のあたしにとってはすごく大人に見えた。


「葵ちゃん?」

宝塚の男役のような顔立ちの彼女は
声も太くて、
ほんとうに頼もしいお姉さんといった感じだった。

「はじめまして。田口葵です。」
「よろしくね!私は荒川希。」


のぞみさんはあたしのためにオレンジジュースを注文してくれた。
のぞみさんはブラックのアイスコーヒー。

うーん。大人だなぁ。

あたしはのぞみさんをじっとみた。

ほんとうにこの人ってスタイルがいいんだなぁ。

でてるところはでてるって感じで・・・

なーんて考えてた。

「田口教授が、娘がヒマしてるからバイトにでもつれてってくれっていうんだけど・・・」
「え?」
「葵ちゃん、大丈夫?気乗りしてないとかない?」
「あ・・・はい。父の言うとおりなんで・・・」

父は父なりに気を使ってくれたんだ。








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