あおいの光
ローマ市街地は空港からバスで約30分ほどの場所にあった。


あたしは
まわりの景色に見とれていた。



まるで、
中世から抜け出たような町並み。


石畳。
レンガ造りのたてもの。



今は21世紀。


なのに高層ビルなんてまるでない。



だけど、人々は近代的な服装で町を歩く。
日本ではありえない光景だろうなぁ。


ほどなく、
あたしたちはホテルに到着。
荷物を置き、
すぐにタクシーで出掛けた。



のぞみさんが言う。

「私と葵ちゃんがこれからいくのは、世界遺産にもなっているフォロロマーノ。」




フォロロマーノ
と、呼ばれるその遺跡について
あたしはなんの予備知識も持ち合わせていなかったが、




「ついたわよ」

かの有名なコロッセオのすぐとなりにあった。


入口はさびれた動物園のようだったが
入っておどろいた。



芝生の上に
遺跡…
というか石がごろごろと転がっている。



奥に進むと、崖になっていてその先には
言葉はよくわからないが、たぶん立入禁止の札、その札をのぞみさんは越えて奥に坂を下っていく。


あたしもあとについていった。



そこは、
学校のグランドほどの広さ

そしてまた石ころがごろごろと…



多国籍にわたる学生たちが絵筆のようなもので石ころを撫でている。



「のぞみさん…あたしのバイトって…」
「うん。これ。土に埋まってる建物のガレキを掘り出すの」



考古学って…

そのときのあたしにはまったく理解できなかった。




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