あおいの光
そんな会話をしてからたった3日後だった。
わたるからメールが入った。

『急だけど、瑠菜が帰ってきた。放課後あけといて』


あたしは気がつくと先生のところに走ってた。

「せんせいっ!」

国語準備室を勢いよくあけたが、先生はいなかった。


「近江先生なら、急用とかでかえられたぞー」

ほかの先生がそういった。


あたしはまだ3時間目が終わったばかりだったけど
早退することにした。


学校を出てすぐに先生に電話した。

「先生!!どこにいるんですか?」

電話先の先生は笑ってた。

『葵。何してんだよ。情報が早くてびっくりしたよ』
「瑠菜ちゃんは?」
『ここにいるよ。おいで。水無月の駅前のサリアホテルにいる』

あたしは急いで電車に乗り込みホテルに向かった。


電話から30分後にやっとついた。
ロビーに隣接したカフェで先生と瑠菜はお茶をしていた。


「あおいちゃん!」
「瑠菜ちゃん!」


いつかまた会いたいと思っていたけど
こんなすぐに会えるなんて!


それにしても、
瑠菜の美少女加減には本当に脱帽する。


彼女が目立つのはイタリアにいてのことかと思っていたけど・・・

日本人しかいないこの環境でも本当に目立ってる。

茶髪がはやってるこのご時世だからか、
まっすぐで真っ黒な髪の毛もほんとうにきれいだし、

白い肌も、真っ黒で大きな目も本当にきれい。


「どうしたの瑠菜ちゃん。急に帰国するなんて、びっくりした」
「あおいちゃん、るなもね、将来のこと少し考えようと思って。そろそろ、大学も決めなきゃならない・・・」

「ははは。瑠菜。葵に相談してもむだだぞ。葵はオレの学校の首席を入学以来ずーっとキープしてるお利口さんで、医学部以外の進路はないんだぞ」
「医学部!!」
「先生。あたし、まだ決めてないですよ・・・」







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