あおいの光
瑠菜は、わたるに寄り添っていた。

そして、その表情は嫉妬から
くるりと
かわいい妹の顔になった。


「わたる。ホントにあおいちゃんと友達だったんだね」

そういって、わたるに笑いかけ、
わたるの腕にしがみつく。


「瑠菜。友達じゃないよ」

わたるが、
離れるようにと促すように
瑠菜の腕を触った。



「知ってるよ。瑠菜。彼女なんでしょお?」


瑠菜はカワイイ口調で言った。

あたしにはそれがとげのある言葉としか思えない。




「そうだよ。瑠菜。」





瑠菜はわたるに笑いかけた。

まぶしいくらい綺麗な笑顔。

わたるが見蕩れてるのがわかった。



わたるじゃなくても
男の子ならみんな見蕩れる。


わたるは
瑠菜の頬に触れた。


「瑠菜・・・。」



わたる。
瑠菜に引き込まれてるのがわかった。



瑠菜の何がそんなに人をひきつけるのだろう。
他人だけでなく、
血を分けた、双子の兄まで虜にしてる。



「ねえ、あおいちゃん。瑠菜ね、わたるとまた一緒に住みたいんだ。
だから、ピアノも日本で続けようと思う。」


「瑠菜!!」
「わたる、だめ?わたると瑠菜は生まれる前から一緒だったんだよ?もうこれ以上はなれてるなんて耐えられないよ・・・・」


わたるは拒絶しなかった。

できないよね。
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