あおいの光
あのあと、
近江先生はあたしが早退できるように手続きしてくれた。



家に戻って、
母に伝えたいことがあった。
近江先生にしたように素直に気持ちをぶつけよう。


そう思ったら
妙にすっきりした気持ちになった。



「ただいま、ママ」


家に、母の気配はなかった。
出かけているんだろうか。

リビングは朝あたしが出かけたときのまま、
あたしが飲んだ牛乳のマグカップがそのまま食卓テーブルに上がってる。




「ママ?」

いない?

でも、
鍵は開いていた。


あたしは母の寝室を開けた。



「ママ…ッ!」



母は
ベットにうつぶせに横たわっていた。



手首から血を流して…




「ママ!!」

あたしは駆け寄り、母を揺さ振った。
ママは目をあけない。


「ママァ…」

あたしはどうしていいかわからず、
父のケータイにかけた。



父は
大学を放って、すぐに来てくれた。

「ちょうど、空き時間でほんとによかった。」

父は
車をとばし、大学の付属病院に母を連れていってくれた。


< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop