見えない二人の距離
自分が作ったくせに、美味しいと言いながら頬張る澪を見ながら飯を食う。
「美味しいでしょ?」
何回聞くんだよ…
確かめるようにオレに求める姿も
オレにとってはヤバイ。
ホントウに。
頷いてやれば、今以上に満面の笑顔を浮かべてまた食いだした。
「おまえ、単純」
「うっさいなぁ~」
そんなだからダメなんだ。
そんなだから
あんな野郎にハマるんだ。
「…バカだな」
「へ?なんか言った?」
オレが小さく呟いた言葉は
澪には聞こえなかったらしい。
「いや」
オレだったら、その笑顔を絶やさねぇのにな。