見えない二人の距離
《お願い攻撃》
「純平くん」
それは翌日の昼休みのことだった。
「んぁ?」
見たことあるけど知らない女がクラスに入ってきて、漫画を読むオレに話しかけてきた。
化粧をしっかりして、髪にはウェーブがかかった気合いの入った女。
あー…ヤベ
女が顔を赤らめてる。
手にはなにやら袋を持って。
「これ…貰ってくれる?」
やっぱ…そうなるよな。
高3に上がる前からよくあったが
最近やたら多い。
正直かったるい…
「や、オレ」
「あ!残念だけどコイツそーゆうの受け取らねぇよ」
オレが言いかけると、言葉を遮って来たのは親友の拓だった。