見えない二人の距離


彼氏の誕生日プレゼント。


そういや、この時期だっけ。



「澪りんまだ付き合ってたの?」


「あ…うん」



また余計なことを…


拓の言葉に澪は俯いた。


拓も澪とは付き合いが長いから、そう言うのも分かる。


だってアイツ、どうしようもねぇ野郎だからな。



それでも澪が好きなんだからしょうがねぇ。





「行くよ」

「…ぇ」


「買い物だろ」



オレって、ホントこいつが好きだよな。



「本当に?」



さっきまで暗かった顔が明るくなった。



「ああ」


「ありがと!」



おまえの笑顔があれば、オレはそれでいいよ。




< 20 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop