見えない二人の距離
彼氏の誕生日プレゼント。
そういや、この時期だっけ。
「澪りんまだ付き合ってたの?」
「あ…うん」
また余計なことを…
拓の言葉に澪は俯いた。
拓も澪とは付き合いが長いから、そう言うのも分かる。
だってアイツ、どうしようもねぇ野郎だからな。
それでも澪が好きなんだからしょうがねぇ。
「行くよ」
「…ぇ」
「買い物だろ」
オレって、ホントこいつが好きだよな。
「本当に?」
さっきまで暗かった顔が明るくなった。
「ああ」
「ありがと!」
おまえの笑顔があれば、オレはそれでいいよ。