見えない二人の距離


――放課後


オレは毎年恒例のように、澪の誕生日プレゼント探しに付き合うため街中にでた。


通り過ぎる店をチラチラと覗きながら歩く澪。




どうせまたいつもみたいに、なんにも考えてんないんだろ?



『男の純平なら、なに欲しいかわかるでしょ?』



3年前に初めて言われた。


好きな女の彼氏のために、プレゼントを考えるなんて…考えてもみなかった。




「コロンは?」


「去年香水だった」



隣を歩く澪の眉間にシワがよる。



あーあ、可愛い顔が台無しだぞ…





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