見えない二人の距離
アイツorオレ
『純平みたいな彼氏だったら…泣かなくて済んだのかな…』
夕日が沈む丘の上でオレに背をむけるのは、瞳を真っ赤に腫らせた澪。
いつもみたいに、散々泣いた後で澪に連れて来られたこの場所で
オレは、おまえに心を奪われた。
夕日の所為にしたかった。
涙の所為にしたかった。
でも、そんなのただの言い訳にすぎない。
『でも…純平は優しいからきっとダメなんだ』
オレはきっと、ずっとおまえに優しいよ。
だから…ずっと『ダメ』なんだな。