見えない二人の距離
いつもより気だるい体。
パッとしない頭とイライラする感情。
正にムカつき絶好調。
頼むから、澪にだけは会いたくねぇ。
通学路を重い足取りと共に考え出す頭は、やっぱり澪のこと。
「はぁ…女…必要だな」
もう限界だった。
何度かこんな状態にはなったことがあるけど、今回は重症。
なんたって夢にまで出てきたのは初めてだ。
「純平くん」
「あ?」
タイミングが良いのか悪いのか、そんなのどっちでもいい。
後ろから声をかけてきたのは
あの女、美羽だった。