見えない二人の距離
かったりぃ…
シカトしようと思って、そのまま足を進める。
「あ、待ってよ」
うわ、今日ぜってぇツイテねぇ。
美羽が隣に駆け寄ってきた。
「純平君もこっち方面だったんだね!一緒に行こうよ」
「………」
一緒に行くもなにも、完全にその気だろ?
オレは返事もせずに黙って足を進める。
早く学校についてほしいから。
こんなとこ、澪に見られたら…
「純平君?」
美羽が不思議そうな声でオレを呼んでいるのなんて耳に入らない。
「…あ、あれって立川さん?」
立川は澪の名字。
目の前には、仲良さそうに男の腕を組む澪の後ろ姿。
澪、今日は彼氏と登校かよ…