見えない二人の距離


かったりぃ…


シカトしようと思って、そのまま足を進める。



「あ、待ってよ」



うわ、今日ぜってぇツイテねぇ。



美羽が隣に駆け寄ってきた。



「純平君もこっち方面だったんだね!一緒に行こうよ」


「………」



一緒に行くもなにも、完全にその気だろ?



オレは返事もせずに黙って足を進める。


早く学校についてほしいから。




こんなとこ、澪に見られたら…




「純平君?」



美羽が不思議そうな声でオレを呼んでいるのなんて耳に入らない。



「…あ、あれって立川さん?」



立川は澪の名字。




目の前には、仲良さそうに男の腕を組む澪の後ろ姿。





澪、今日は彼氏と登校かよ…






< 27 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop