見えない二人の距離
「はよ。今日は不機嫌か?」
教室には既に拓がいた。
オレが乱暴に席に着いたからなのか、拓に見透かされた。
いや、不機嫌を通り越してる。
話す気にもなれずにシカトした。
「今日は朝から美羽ちゃんと登校したんだって?」
――!!?
なんで知ってんだよ。
その言葉に驚いて、拓の顔を見た。
ニヤニヤとしながらオレを見る拓が、気持ちわりぃ…
「その顔、なんで知ってんだって顔だろ?」
分かってんなら早く言えよ。
目を細めて拓を睨む。