見えない二人の距離


一昨年の夏


オレを呼び出した澪が、珍しく泣いてなくて安心してた。


澪が笑いながらそんな話をしてきて
すげぇ胸が痛かったのを覚えてる。




「…オレ……」


言葉が浮かばねぇ…


オレはどこまで最低なんだ。




「…あの子が好き……なの?」


「や…」


その後の言葉を飲み込んだ。


《いやちがう》
そう言いたい。


でも、それを言ったらその後は


オレはなんて言えばいい…





「純平は…あたしのかけがえのない人だよ……」


「な…に言ってんだよ」



瞳を潤ませながらも、あの時のように笑う澪がオレを見つめる。




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