見えない二人の距離
「ジュン、最近荒れてね?」
「あ?」
気づけばもう、春の終わりを迎えようとしている季節。
だんだんと暑くなる気候が
オレのイライラを増さす。
「いや…なんでもない」
あの拓ですら、オレになにも言えないほど機嫌が悪い。
それもそうだ。
なんたって澪に2週間くらい避けられてるから。
「オレ、帰るわ」
「また!?まだ2限だぞ?」
うるせぇ。
そんな拓の言葉をシカトして、オレは鞄を手に席を立ち上がる。
確かに、最近のオレは機嫌の悪い塊。
周りの奴らもそれを察して、今じゃオレに話しかけるのは拓くらい。
どうしようもねぇ…