見えない二人の距離


教室を出て、昇降口まで行くまでにいろんな奴の視線がオレに向けられていた。


それにもイライラする。


あー全てがうぜぇ…


なんでこんなにイラつかなきゃならねぇんだよ。


靴を履き替えるために革靴を乱暴に置く。


「マジで?」


そこで気付いた聞き覚えのある声に、体が反応する。


「……だめ?」


「期待してたのによぉ。それだけの為に散々長引かせてたわけ?」



下駄箱を挟んで向こう側から、小さな声と気だるそうな声。


明らかに、澪とアイツ。





< 49 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop