見えない二人の距離
教室を出て、昇降口まで行くまでにいろんな奴の視線がオレに向けられていた。
それにもイライラする。
あー全てがうぜぇ…
なんでこんなにイラつかなきゃならねぇんだよ。
靴を履き替えるために革靴を乱暴に置く。
「マジで?」
そこで気付いた聞き覚えのある声に、体が反応する。
「……だめ?」
「期待してたのによぉ。それだけの為に散々長引かせてたわけ?」
下駄箱を挟んで向こう側から、小さな声と気だるそうな声。
明らかに、澪とアイツ。