見えない二人の距離
「……じゅ……い」
お?
微かだけど、今オレの名前呼んだ?
「もういいのか?」
ふぅ…やっと喋れる。
静かな図書室にしゃくり声が消えた。
「…ありがと」
「ん」
ありがとうもなにも
オレはなにもしてねぇ。
ただ、澪の泣き声を聞いてただけ。
いつもいつも
澪は落ち着いたらオレに礼を言う
それが習慣みたいに。
「友達と帰るんだったよね?ごめんね…」
今更なに言ってんだ。
おまえが目の前に居た瞬間
オレは諦めてたから
「べつに、気にすんな」
本当、オレって…
おまえ中心だよな。