見えない二人の距離


高校3年になったばかりの春。


オレと澪が築きあげてきた関係は
不思議なもので


友達とは違う感じで
でも恋人とは言えない



そんな関係だった。




「今日はあたしが奢るね」


「は?いいから」



女に奢らせるとかマジやだ。



「だめ。絶対奢るから」



つーかありえねぇって



「何度も言わせんな。オレはアイツとは違うから、マジで奢りはなし」




オレまで同類になっちまうだろ。



「ぁ…ごめん…」




前からずっと言ってるのに


それで傷つくのはおまえなのに



おまえは言わねぇとわかんねぇから…







< 6 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop