見えない二人の距離
オレの問いに、澪は一瞬暗い顔をしたがすぐに笑顔に戻った。
「今年は断った♪」
「おまえが?」
冗談やめろよ。
いつ、おまえの方から断れるほど成長したんだよ。
「うん。だから純平一緒に行こうよ」
作り笑顔なんてして、オレにはすぐ分かるっつうのに。
「なぁ、澪」
「なに?」
また、あいつになんか言われたんだろ?
らしくない顔しやがって
なんでオレに隠すんだよ。
「祭りはオレとで十分だろ?」
「え?」
「ちょっと待て!オレは!?」
拓が焦って身を乗り出す。