見えない二人の距離



「あー純平っ!牛乳取って」


「おまえ…」


「早く早く!」



キッチンで慌ただしく動く澪が
リビングに居るオレに向かって叫ぶ。



もっと静かにやれよ…



まぁ、いつものことだから
そこは期待しちゃいけない。




「ほら」


「ありがとぉ」



牛乳を澪に渡すと、忙しそうな体とは正反対で不覚にも余裕な笑みを見せてきた。



――ドキッ




やべぇ…オレ大丈夫か?





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