見えない二人の距離
そんな顔、すんなよ……
「だから純平、あの景品は純平と使おうと思ったの…本当だよ?」
「………」
オレを真っ直ぐに見ながら言う澪に、嘘はねぇ。
射的で取った景品は
“遊園地”のチケット。
今思えば、それ以外にだっていいものは沢山あったんだ。
中ぐらいの札に書かれた“当たり”の文字の正体がチケットでも、もう一つそれよりデカイ札があった。
それは確か、“温泉旅行”だった。
澪がそれを選ばずに、その景品を選んだのは……
「いつも、あたしのためにごめんね…」
“友達”としての計らい。