独:Der Alte würfelt nicht.
 
 
「それに、テロリストは警察に犯行声明を送っていたんでしょ。テロは軍関係の管轄だし…どうして警察なんかに、犯行声明なんか送ったのかなァ」

「…そうだね。軍だけでは…足りなかったんじゃない?」

「つまり、本来の目的はアリスを引きずり出して血祭りにあげたいって事?前は相当事実を隠蔽されて世間から忘れさせようとしてたみたいだけどォ。私だって興味本位で探してたのに…結局それらに関する事なんか見つからなかったし」

「でもさ…君、知っていただろ?アリスの事」


アリスが噂の天才科学者さんだったって事は、本当に最近知らされた事だった。

アリスが転入し、私のクラスに入ったことは知っていたけど、綺麗な子が入って来たくらいにして記憶にとどめていない。

確かに、パンドラのシステムが一時停止した事件のほんの数週間後だったけど…その本人がまさか自分の近場で学園生活を勤しんでいるなんて思いもしなかった。

シオンに言われて学内システムに潜り込み、アリスの成績を調べるように指示を受けた。

転入当初から、全ての成績の総合点数を調整して…777点を取り続けているが分かった。


「教えてくれたのはシオン。ストークス家の血縁だから、軍のサーバーにアクセス権をもってるんだって、お兄ちゃんがだけど。…たまにマスコミに情報を売ったりして遊んでるらしぃよ」

「ストークスが共謀してアリスの事を隠蔽している…て言いたいんだ?」

「ちょい違うのね。そもそもパンドラのシステムにハッキングだなんて不可能なのッ。アリスが研究してた仮想ネットワークでも原理自体が違うし。パンドラはどちらかと言えば疑似生命プログラムを核にして造られた人工知能だもん。ハーグリーヴスがパンドラを管理してるから…きっと軍に圧力をかけたんだと思うの」

「…よく、極秘事項をご存じで。一般にはただの大規模システムって位にしか認識の無いはずなんだけど…ね」

< 195 / 365 >

この作品をシェア

pagetop