独:Der Alte würfelt nicht.
――考えないと…この状況を打破する何かは…必ず存在する…ッ!
犯人側は私にこの妊婦の腹を割かせて、中の子供が“男の子”か“女の子”か当てさせようとしている。
此処まで大規模なテロリズムを起こし、尊い命を玩具にして弄んでいる。
人間ではない、快楽主義者でもない…イカれた鬼畜。
自らを神だと謳い、恐怖する人間達を貶め、足蹴りにするなど…許される事ではない。
「貴方も…姫ィさんって人に…言われて来たの?」
「えぇ…最先端の治療を…してくれるって…実際、この子はここまで…大きく…ッでも、全部…嘘だった…ッ!!」
「その姫ィさんっていうのは何者?もしかして…四大名家の…マークのうちの誰か?」
「言えない…殺されてしまう!お腹の中に…爆弾が…ッ遠隔操作の…!だから…」
彼女の反応からして、マークの人間が動いていた事は間違いない。
しかし…私を貶めるだけなら…疑われる要素を一切に取り除くべきではないだろうか。
マークの家の人間が、私が起こしたと言われるアノ事件によって…何か損害を受けたのだろうか。
でもそれだと…オリヴァーが言っていた時期には合わないから…。
だか、腑に落ちない、こんな小娘一人始末するのなら…幾らだって方法はあったはずなのに。
私の存在を明るみに出して懺悔させる為ならば…テロリズムなどと言う大掛かりな事も必要ない。