独:Der Alte würfelt nicht.
『恋だよ。君は僕に恋をしたんだ。恋とは永遠があると嘯く幻想。甘くてキャンディみたいな、君の大好きなお菓子の味がするよ。女の子はみんなその味が好きでたまらないものなんだ』
『恋は…お菓子なの?甘くて…どんな味?』
『女の子は色々素敵なもので出来ているから、お菓子もその内の一つ。教えてあげるよ、その恋が…一体どんな味がするのか。きっと君も、気に入ってくれるよね』
『私は…恋をしたのね。教えて“ジャック”。恋の味は…一体どんなスパイスが効いているのかしら』
私、ハ“彼”に恋、をsしましtた。
私hあ“彼j女”に酷iい事を、しま、した。
dえも、か、彼、にタ、対sうるカ、かかン情が余rいに、も、oおき、くて、ワ、私は、は、は、ワ、私inお、一、部、wお、k、殺、しI、まし、tあ。
――対象Aの接続が切断されました。精神異常発生。対象A興奮状態。対象A覚醒まで3、2、1。対象A覚醒しました。意識レベル安定、オフラインモードへ切り替えます――
≪残念だけどここで終わりだ。モルガはこれ以上の世界を望んでいない≫
〔私たちは意識の番人。彼女の作り物。マスターの意思には逆らえない。それが原則〕
≪一つ扉が開いたね。最上級の痛みの…恋の部屋。世界で一番甘いお菓子よりもさらに甘い、初恋の部屋。恋は毒だ、生かしもするし殺しもする。回りも早いんだ≫
〔モルガは拒絶しました。これ以上先には入るなという警告です。レイ・シャーナス。甘んじて受けなさい。これは“貴方が入るべき世界”ではありません。御引き取りを〕
――精神状態良好。保護溶液からの離脱成功。クプラLに異常が見られます。個体L、対象Aとの強制遮断によるダメージ確認。修復中。現在50%修復完了。対象A60秒で覚醒します――
≪オールボワール、ムシュー≫
〔オールボワール、ムシューシャーナス〕
双子が恭しく礼をして、その姿を消す。
後に残るのは虚無の暗闇だけであり、光さえささない漆黒の世界。
光を求める為に瞼を開ければ、私の顔を覗き込むたくさんの人間。
瞳にライトを当てられて、眩しさに目を顰める。
背中に当たる感触で、私はいつの間にかベッドで寝かせられている事に気付いた。