割り切りの恋人たち【後編】
 「男の人って皆、女のことを体としかみていない」と。
 弘美がなぜ割り切りを希望していたのか、それはわからない。いや、深く聞こうとは思わなかった。
「……。男の人ってひとくくりに言ったのは、私の間違い許しね」
 と弘美は俺に向かい言った。
 弘美は続けて言う。
「私のことを道具としてではなく人としてみてくれる人……。うん、それが直行なんだ」
 弘美が何が言いたかったのか、俺はこの時ピンと来た。それが割り切りをするきっかけだったのだと──。
< 16 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop