MEMORY~A Promise with them~
「花恋っ!!!」
あたしは 貴女の事を
恨んでなんかも憎んでなんかもいないの
ただ…
〝ただ ―――――〟
「…稀莎ちゃん?」
ハッと自分の名前を呼ぶ声が聞こえ記憶の方へとやっていた意識を一気に現実へと引き戻される。
肩を上下に揺らしながら荒い呼吸を整え、辺りを見回して状況を確認した。
――――今 あたし、何を……
「稀莎ちゃん どうしたの?
そんな息きらして…」
突然現れて全く聞き覚えのない名前を叫んだあたしに意表を突かれたのかこの場にいる子は皆困惑していた。
だが 唖然としながらも小湊さんは呼吸を整えるあたしに聞いてくる。
「…あなた達こそ どうしたの?
今は 授業中よ 早く自分のクラスに戻りなさい」
…もう 口にする事はないと思ってたのに
何…やってんだろう あたしは
「おいっ! お前達!!
そんな所で何をしてるんだ!」
「ヤバッ……行こ!」
声が聞こえ後ろを振り向くと生活指導の小田原先生が声を張り上げこちらに向かって来た。