MEMORY~A Promise with them~
 




「陸っ! ここにいたんだ
花恋が探してたよ~ 」


「はあ? 花恋があ?
何かしたっけな… そんな事より稀莎今日は一段とカワイイね」


「あははっ もう」



〝バーカ〟





幼き日のあたし達は笑いあう
もう、元には戻れない







「…人違いですよ
あたし、確かに名前は稀莎ですけど あなたの事なんて知りませんから」


真剣な、どこか必死な陸の目から逃れたくて視線を下へと落とす。


「何言ってんだよ!!
俺の事忘れたのかよっ 磯野陸だよ!!
わた「ですから 知りません!!
あなたの事なんて!!他人の空似でしょう!!?」



悲痛な叫びにも聞こえる陸の言葉を遮り声を張り上げる。

その時、調度授業を終えるチャイムが鳴り出した。


「…次の授業の準備がありますのでこれで失礼します」


「えっ…! 稀莎ちゃん?!」

「仲岡先生っ?! ちょっと!!!」


そう言って一度も目を合わせず職員の方へ歩き出すあたしに生徒達と小田原先生はあたしを呼び掛ける。

それに見向きもせず、スタスタ歩くあたし。



 
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