MEMORY~A Promise with them~
〝――――俺の気持ちは変わらない
稀莎のことが好きだ″
〝…陸は優しいから
自分を偽ってまであたしに付き合うこと、ないよ″
〝いつ俺が自分を偽った?
俺の気持ち勝手に決め付けて 無視すんなよっ″
陸は吐き捨てるように言うと、あたしの肩を掴み渇望するかのように弱々しく言う。
〝頼むから… これ以上俺を避けるなよ…″
小刻みに震える陸の揺れが腕から肩に伝わってきた。
そんな陸を見てあたしは想いを抑え叫ぶ。
〝あたしがいるから 陸は犠牲になってるんじゃんっ!!
陸はあたしなんかとこれ以上一緒にいる義理ないよ…″
〝なっ!…なんだよ それ″
傷付く陸の顔を見て、泣きそうになるのを必死に堪えるあたし。
〝ごめん…″
〝……俺じゃ、ダメなのか?″
〝―――ごめん〟
渡り廊下に行く前に居た場所へと戻ってくると窓に近付き、下を見下ろす。
さっきまで自分が居た場所にはまだ陸と千葉さん達がいた。
「…ごめんね 陸
でも あたしが居たら何時までも前に進めないでしょう?
幸せに…」
なってほしい―― そう、最後まで口には出せなかった。
あたしなんかが口にしたら陸の幸せ全部なくなっちゃいそうで…
窓に添えていた手に力が入り、ギュッと拳をつくる。