MEMORY~A Promise with them~
「あれ? 渋沢さんは?」
そう言って辺りを見回す女子生徒。
「あれー? いないね
嘘ー! 何も言わずに帰った訳?!」
小湊達は信じらんないっと口々に言い、憤慨し始める。
渋沢… さっきの女子生徒か
やけに花恋に似てた生徒だったな
思わず名前を呼びそうになる程に
「あっ!
そろそろ戻んなきゃヤバくない?!」
「次 現国だからちょっとでも遅れたらうるさいよーあいつ」
行こ、行こと互いの顔を見合わせ自分達の教室へと戻ろうとする女子生徒達。
「じゃあまたねー陸さん♪」
そう言って俺に手を振って駆けていく、小湊達。
「ああ、しっかり勉強しろよー」
彼女達の駆けていく後ろ姿を見て思わず俺は目を細める。
楽しそうな彼女達が眩しかったんだ。
なあ 花恋
お前、本当は稀莎のことどう思ってたんだ?
〝稀莎っだーいすき!
あたし達ずーっと〝親友″だからね!″
〝ホントはね 稀莎っ……
大っっっ嫌いっ!!!!!!″
…本当に嫌いだったのか?