愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「ヤッター!!」


祐樹は両手を挙げて大声で叫んだ。私達の他にお客さんがいなくてよかった……


そして祐樹はガタンと音をさせて立ち上がると、


「志穂さん、決心してくれて、ありがとうございます」


と言った。


「お返事遅れてごめんなさい。私なんかでいいのかなって、ん……」


“ずっと悩んでたの”と続く言葉は、祐樹のテーブル越しのキスで言わせてもらえなかった。


「志穂さん、そういう事はもう言わないでください。これからは俺のフィアンセとして、堂々としてほしいな」


「うん、分かったわ」


再び祐樹が顔を近付けた時、


「ゴホン」と、誰かの咳ばらいが聞こえた。


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