愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
私は祐樹と並んでソファーに腰掛けた。


「こんな大きな家じゃ、広すぎて寂しくない?」


「そうでもないですよ。今はやかましい姉貴が戻ってるし、絶えず泊まりのお客さんがいるし、使用人も多いですから」


「使用人の方って、何人いるの?」


「え? 何人だろう。爺やと奥さんの婆やと、コックの田中さんと運転手の黒崎さん。メイドの加代子さんに庭師の源さんで……6人ですね。あ、時々掃除に来てくれる人もいるから、もっとかなあ」


「すごいのね……」


まるで映画やドラマの世界みたい。現実にあったんだ……


と、感心していたら、開いたままの扉から、すらりとした中年の男性が部屋に入って来た。


私は、一目でその人が祐樹のお父様だと分かった。


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