愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「志穂さん、俺の父です」


「はじめまして、谷崎志穂と申します。本日はお招きいただきまして、有難うございます」


「祐樹がお世話になってます。今日はお呼び立てしてすみません」


低いけど、お声も祐樹に似ていた。


「いいえ、とんでもございません」


お父様は私達の向かいに座り、続いて私達も腰を下ろした。


お父様は、座りながら手にお持ちだった茶封筒を、横に置いていた。


いつのまに来ていたのか気付かなかったけど、黒の制服を着た、年はたぶん私と同じくらいのメイドさんがいて、ティーカップとお皿を、音を立てずにテーブルへ置いてくれた。


「有難うございます」と私が言うと、メイドの、確か名前は加代子さんは、「どういたしまして」と言い、やはり冷たい目で私を見た。


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