愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
祐樹には、恥じらいがちな笑顔を向ける加代子さんを見て、私を冷たい目で見た理由が分かった気がした。


加代子さんは、たぶん祐樹を好きなんだと思う。私を冷たい目で見たのは、きっと嫉妬からだろう。


でも、お父様が私を冷たい目で見る理由は何なのだろう。


それは分からないけど、好意を持たれていない事は確かなわけで、私は早くも、いたたまれない気持ちになっていた。


加代子さんが部屋から出る時、お父様は「加代子さん」と、彼女を呼び止めた。


「扉を閉めていってください。それと、ここには誰も入れないでください」


「はい。でも、もしお嬢様がお入りになりたいとおっしゃったら……」


「入れないでください。それと、来客や電話が来ても、一切取り次がないでください」


「かしこまりました」


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