愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
横で祐樹が、息を呑む気配がした。


「阿部という男は部長だそうだが、そんな男を要職に就けておくわけには行かない」


お父様はそう呟き、尚も話は続いた。


「その後貴女は酒浸りとなり、行きずりの男と……。それについては飲食店の店員や、アパートの住人の証言があります」


まるで丸裸にされたような気持ちだった。


沈黙が流れ、隣の祐樹に目をやると、祐樹は書類を握り潰し、テーブルに突っ伏していた。


「ごめんね、こんな女で……」


祐樹の肩にそっと手を置くと、その手を祐樹に払われてしまった。


祐樹の背中から、“俺に触るな!”という心の叫びを、私ははっきりと聞き取った。


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