愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
始業時刻になっても、祐樹は出社してなかった。


いつも10分前には出社して、周りのみんなに爽やかな笑顔で朝の挨拶をするのに。


休むんだろうか……


そう思いながら祐樹の席を見ていたら、祐樹がやって来た。


しかし、いつもの祐樹とはまるで様子が違った。

俯き気味で、目は虚ろ。口の周りにはうっすらと無精髭が生えている。


無言で机に鞄をドサリと置くと、やはりドサリと椅子に座った。


そんな祐樹の異変に周りも気付いたようだけど、声を掛ける人はいなかった。


その間祐樹は、私を全く見なかった。チラリとも。


私はハアーと溜め息をつき、バッグから辞表を取り出した。


私は何を期待してたのだろう。

祐樹が今まで通り、笑顔で私に挨拶するのを?


バカみたい。そんな事、あるはずないのに……


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