愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
私が辞表を手渡すと、気の小さい課長は腰を抜かさんばかりに驚いていた。


「た、谷崎君、ちょっと来てくれ」


とか言われ、私は課長に腕を引かれて阿部の席に連れて行かれた。


阿部は私が辞表を出したと知るや、ビクッとした顔をした。

そして、

「ちょっと話をしよう。あ、君はいいから」

と言い、課長がお辞儀をして去ると同時に、私をミーティングに使う個室へ連れて行った。



「私に近付かない約束ですよね?」


「何を、そんなもの……。それよりも君、まさか俺との事を神林に話したんじゃないだろうな?」


「さすがに勘がいいですね」


「話したのか!?」


「私からは話していません。でも知られちゃいました。祐樹のお父様、つまり神林社長が探偵を雇って調べたそうです」


「な、何だと!?」


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