愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
見るまに阿部の顔色が青くなっていった。


「君は否定しなかったのか?」


「しません。事実ですから」


「神林社長は何と言ってた?」


「“そんな男を要職につけておけない”とか言ってました」


「クソッ。こんな事で人生を棒に振れるか!」


「“こんな事”?」


私はその一言で阿部に切れてしまった。


「私は心にも体にも傷を負い、命まで犠牲にしたのに、“こんな事”ですって!?」


阿部は私の剣幕に怯み、「すまない」と言い、「何とかしなければ……」と、おろおろとした。


「もう諦めたらどうですか? 自業自得なんだから。あなたも、私も」


と私が言うと、


「うるさい!」


と怒鳴り、阿部は部屋を飛び出していった。


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