愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
お昼休みに加奈子とランチ。


身辺整理と引き継ぎで、目が回るほと忙しい。加奈子とゆっくりランチを食べるのは、これが最後かもしれない。


私が事の顛末を話すと、加奈子は「ごめんなさい!」と言って私に頭を下げた。


「どうして加奈子が謝るの?」


「だって、志穂の力になれなかったし、むしろ足を引っ張っちゃったから……」


「どういう事?」


「神林君に全て話してたら、こんな事にはならなかったかもしれないのに。それなのに、私は……」


「ううん、加奈子のせいじゃない。彼に言えなかったのは、私に勇気がなかったからだし、仮に言ってたとしても、結果は変わらないと思う」


「そうかなあ」


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